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釣り餌屋のオヤジが「魚は台風で半分死んだ」と言った
 

男は手際の良さで決まる

早く呑みたいだけかも

串に部位名が書いてある

川を下って海へ

この波は越えられない

あちこち魚が死んでいた

悔しさと名残惜しさ

大きい車が欲しくなった
2019年09月18〜19日(水・木)「利きトンカツの日」

 当初の予定では勝浦沖にカヌーを出して、ジギング(まあルアーフィッシングみたいなもの)で鯵やら鯖を狙う計画だったのだが、夜から朝にかけて猛烈な雨が降るという予報だったので目的地を変更、ホームグラウンドの栗山川にテントを張った。そう、今回は一泊キャンプなのである。運転を気にせずトコトン飲める訳だ。
 さらに、明日は確実に晴れることが分かっているので、釣りのためにガーッと食って、ドッコーンと飲んで、バッターンと寝ようじゃないかということになった。
 海を知らないネモッちゃんは「カヌーで川を下って、勢いで海に出て、計画通りジギングやりましょう、大丈夫大丈夫」などとほざいているのだった。太平洋を舐めている。わたしはまだ死にたくない。

 今回の食の目玉は「利きトンカツ(?)」である。アトランダムにトンカツを食し、どこの部位か当てっこをするといったゲームで……んなわけあるかい! 
 鹿児島でトンカツの部位別の盛り合わせを食って感動したが、ま、それの真似だ。串カツ形式で串には部位名がちゃんと書いてある。我ながら「マメなお人」だと思う。ビーンズ小林さんだ。
 鳥胸肉の塩麹漬けを2人で1kg、その他野菜多量、酒たくさんを摂取した後なのに、その場で揚げたトンカツはことのほか美味く、幸せの絶頂。気は大きく膨らみ、明日への希望は荒唐無稽な世界へと展開するのだった。
「マグロとか釣れたらカヌーがビュンビュン走るんでしょうねえ? たまらんなあ!波乗りも出来ますかね?」
 わたしはまだ死にたくない。
 もっともこの後、栗山川付近も猛烈な雨に見舞われ、テントは浸水、衣服はズルズル、危うく低体温症で死にそうになったのだが、ま今生きてる自分がいるので良しとしようじゃないか。誰も責めたりはしない。どうせまともな死に方なんかできないんだよ、わたしなんか。
 一つだけ腹立たしいのは、わたしが起き出してきた時点で、ネモッちゃんが車の暖房をしっかりかけて、一人だけぬくぬくと車中で寝ていたことだ。歳下とは言え上司ですからさ、これって「パワハラ」じゃないっすか?

 予報通りとはいえ、翌日は信じられない程の好天気、装備はびしょびしょだったが、心は秋晴れ。ただし釣りはからっきし空振り。小さなセイゴが1匹ずつ釣れただけだった。
 釣り餌屋のオヤジが「台風で半分以上打ち上げられて死んだんじゃないかなあ」と言っていたのだが、直後だけあって嘘ではないような気がした。80cmはあろうかと思しきスズキが河原で何匹も死んでいたものねえ。
 ジモピーも釣り人はほとんどおらず、散歩のオヤジさんと少し話したが回復に1年ぐらいかかるかも知れないとのことであった。
 
 これから寒くもなるしなあ、新たな場所を求めてロケハンの日々が続くことになりそうである。