Sakura Internet
クソが!
 

こんな感じだった訳

整理整頓好き(笑)

こんなヘアスタイル?

佐藤錦の花だ
2021年04月09日(金)「怒りの庭仕事」

「お宅のオリーブの枯葉が雨どいに詰まって困るのよ」
 お隣の小宮さん(仮名)は言い放った。数年前、小宮さん家の屋根に積もった雪が雪崩を起こし、我が家の垣根を大破した時、一言の謝罪もなかったし、我が家も小言ひとつ言わなかったというのにだ。
 親切な隣人だと信じていた妻などは半ベソになって悔しがっている。「世の中の80%の人間はクソだから仕方ないよ」とわたしは慰めたが「じゃあ、私たちもクソねえ」と妻は言い、全然慰めにならなかった。

 謎の肘痛は少しも良くなっていないが、怒りの勢いを借りてわたしがオリーブの木を切ることにした。と言っても結構でかい。高さは5m越え、幹は一番太い所で15Cmはある。電動だがチェーンソウを使うしかない。なんせ肘が痛いのだ。とにかく隣家に派手に聞こえるようにグイーングイーンと騒音を立て、わざと煙が出るように強引に刃を幹に押し付けた。キナ臭い匂いが辺り一面に漂った。
 途中で小宮さんの奥さんが横に現れたが、一言のあいさつも無い。嫌味の一つも言ってやろうかと思ったが、思いつかなかった。わたしは怒ってもイイ奴っぽい。

 両肘がだいぶ参ったが余裕を見せたろう、と思ってビールを飲んだ。最近発売になった微アルコール(0.5%)「微アル」である。つまみは7イレブンの「海鮮好み」というオカキである。これが美味いんだなあ。そこかい!
 まあそんなこんなで作業終了、丸1日かかった。妻は全撤去を望んでいたが、切るうちに情が湧いてきて今回は枝打ちで勘弁してもらうことにした。もちろん妻に対してだ。
 小宮さん家とはもう口もきかない。こっちの葡萄もあげないし、向こうの枇杷も貰わない。絶交だ。

 佐藤錦(さくらんぼ)の優しい花が咲いている。さくらんぼは2種類の品種を植えないと結実しないので、その横にもう1本植えてあるのだが種名を忘れた。ナポレオンだったか? 開花もしていたので今年こそは実がなるかも知れない。開花の時期がずれたのが多少心配だが。なったら小宮さん家にお裾分けでもしますか? イヤイヤ、買ってきた奴を渡すのよ。
「陽当たりが良くなったせいでたくさん成りましてなあ」とか言いながら。
 小林 倫博