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Fieldnote 2017 笛吹(うすい)さんが笛を吹く

|¥300はお買い得

これがポケットサックス

塩ビパイプ尺八

NUVO DooD

押入れから出てきた
2017年11月14日(火)「笛吹きジジイ」

 またまたリサイクルショップネタである。
 テナーサックスのマウスピース(中古)をジャンク品のワゴンの中に見つけた。¥300だ、買わない理由が無い。何に使うの? と小林夫人は鼻で笑ったが、こんなもの滅多に出るものではない。悔しいのでわたしの方は鼻の穴で笑い返した。
 先日の「63歳、歌ってみた」でアップした“東京 City”の間奏とエンディングが無いことに後で気づいて、ずっと気になっていたのである。シンセでチャッチャッと適当なメロディを入れてしまえば簡単だが、それじゃあ芸が無い。
 で、考えた。笛が吹きたいぞ、と。そう考えていた矢先の、このマウスピースとの出会いである。これを神が与え給うた「機」と言わずしてなんと呼ぼうや!

 ずっと欲しかったポケットサックスを自作することにした。10年ぐらい前にクラリネットのマウスピースで一度挑戦したことがあるのだが、音は出せたが使える気がせず断念した記憶がある。なのにまた何故今頃になって……ボケ防止と肺活量低下防止でございますよ、あなた。
 モンベルの社長がアウトドアのどこでも笛を吹くことはよく知られているが、これにもまたずっと以前から憧れていたのだ。いいなあと感じたものはすぐに真似したい。うかうかしてると死んじゃうものなあ。カヌーの上で、静かに彼方を見つめながら笛を吹く……しびれるねえ。

 加工のしやすさと安価であることから、塩ビパイプを選んだ。10年前には無かった知識も得た。何かというと、穴の位置だ。1mm違っても音痴になるが、今回はWeb上に基本のデータがあったのである。しかも運指はリコーダーと同じでいいらしい。笛の全長に対して、1個目の穴は○○%の所、2個目は○○%の所……と決まっているのだという。
 とは言え、やはり微妙なチューニングは非常にむずかしく、上の写真のものでも3本目である。それでもまだ音痴だ。とても使えるようなレベルではない。夕暮れ近くまでプープーやっていたら、お隣さんに窓を閉められてしまった。犬どもも心なしか耳をふさいでいるように見えた。

 それでも“笛吹きジジイ”になりたい気分は治まらなかった。で、自作は今後も続けるとして、とりあえずヌーボ・ドゥードというオモチャのクラリネットみたいなものを買ってしまった。ポケットサックスと同じぐらいの値段だが、今風のスタイルに魅かれてしまったのだ。
 届いたその晩からガンガン吹きまくった甲斐あって、まともな音が出せるようになるのにそう時間はかからなかった。基本、子供のオモチャですからね。寒い日だったので窓は初めから閉まっていた。
 しかし最大の弱点に気づくのにもそう時間はかからなかった。つまり、リコーダーと同じということは、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レまでしか出せないということなのである。あまりにも狭い音域。音質がサックスだけにムーディに歌いたいところなのだがそれができない。かえって欲求不満がたまるのである。指が10本しかないのだから、仕方が無いのである。

 押入れを漁ったら古い本物のクラリネットが出てきた。小林夫人が絵のモチーフとして買ったものだ。
 修理に挑戦してみようかなあ……が面倒臭えし、デカイよなあ。カヌーの上で吹くには本格的過ぎる笛だよなあ。でもでも笛吹きたいよなあ。竹製の横笛にしようかなあ、ケーナってのもいいけどコンドルが飛んできても困るし、尺八ってのは無いよなあ、笛吹けど踊らずってどういう意味だったか……壊れていくなあ。