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カヌー屋なんて久しぶりである

青いのがビクター製

読めますかね?

店外から望遠で撮った

パーツ類も充実

買っちゃおうかなあ

野田さんはいくつだ?

2018年03月23日(金)「C.W.Kに行ってみた」

 日本で初めてフォールディング・カヤック(折り畳み式カヤック)を作ったのは日本ビクター株式会社なのだ。あの電機メーカーの、犬(ニッパー君)のマークのビクターなのである。一体全体どんないきさつが有って……と不思議に思うが今やそれを知る術は無い。
 で、そのカヤックの現物が蘇我のGLOBO(グローボ)にある「Clear Water Kyaks」というカヌー屋さんに展示してあるというので行ってみることにした。
 カヌーをやってて元ビクターの社員ですからね、そりゃあ見とかなきゃマズイでしょうよ。かな?
 さらに、合板で作る“手作りカヌー”の夢もまだ捨てきれてないので、リジットものの大きさや形の研究も兼ねて行かねばならぬのである。
 布張りカヌーは裂けたら終わりだ。途中で旅を諦めるのは辛い。だからと言って、隠れ杭や隠れ岩に気を遣いながらチマチマ漕ぐのって結構ストレスがたまるのだ。岩に乗り上げても「あら?」とつぶやく程度の頑丈なカヤックがどうしても欲しくなるのである。

 190cmはあろうかという大男の店員が1人いて、鋭い眼光を放ちながらパソコンを打っていた。「店内撮影禁止」の貼り紙がそこかしこにある。隠し撮りなどしようものならその巨人に八つ裂きにされそうだ。クワバラくわばら。
 で、仕方がないのでビクターのカヤックに限って撮影許可を願い出ると「チェッ、恐らくブログか何かやってるジジイで、写真だけ撮って何も買う気など無い貧乏人だろ、見るからにそんな顔をしていやがるぜ」といった風でわたしを見た。
 超腹が立ったので、その場で¥62000のパーセプションのポリ艇をキャッシュで買ってやった。ウソウソ。

 ビクターのカヤックは製造元がフジタカヌーで、ほとんど同じモデルがフジタカヌー版としても同時期に発売されていたようだ。1965年頃の話。最初の東京オリンピック(1964)の次の年だ。ビクター工芸という系列子会社があったようだ。益々“何故にカヤックなのか”のいきさつを知りたくなった。オリンピックの余波か、それとも経営陣の中にアウトドア志向の人でもいたのだろうか?
 話は逸れるが、そう言えばビクター音楽カレッジに勤めていた頃“ビクター製のフォークギターやウクレレ”の噂も聞いたことがあった。まあビクトロン等の楽器部門があった訳だからギターもウクレレも頷けるが、まさかまさかのカヤックだ……。

 クリア・ウォーター・カヤックスには、細かいパーツ類も常時置いてあることが分かった。補修材も豊富に揃っている。そうなると悩みの幅がまた少し広がってしまうのだ。つまり、合板製のカヌーを作るか、もしくは今有るものをトコトン改良するかということである。アルミパイプを追加して骨組みを強化すれば、波で船底がブルブル暴れることもなく波を切って滑るように進むだろう。さすれば海もそう怖くなさそうではある。
 か、いっそのこと今ある3艇のうち2艇を売り払い、それを元手に中型のポリ製シーカヤックを買ってしまうという案も魅力的だ。お爺さんは海に出たいのである。

 何も買わずに店を出るのが気が引けて、野田知祐の「ナイル川を下ってみないか」(モンベルブックス¥980)を買った。
ノッポの店員は急に揉み手に変わり「またお越しください」と言った。体はでかいがその笑顔を見た途端、案外いい奴かもしれないと思ってしまった。
 駄目だ駄目だ、店員の営業上手に乗せられたいと思い始めている。今使っているカヤックが20年目だということを口実にしたいと思い始めている。ああ、¥62000円のパーセプション、マジで欲しくなってきた。

 物欲は力である。元気の元である。若さの源頼朝なのである。いいことなんだよ〜〜〜!