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ボラーレ
 

新ルートで55分で到着

明るくなって来た

準備完了

ズバリ{ボラ吸込み」

これぞカヌー日和
2020年01月11日(土)「ボラ釣り」

 青空も見えていて陽も射しているのに雨も降っているというのを「狐の嫁入り」と言い風情が有るが、今日のそれは半端な雨ではなかった。ワイパーを最速で動かしながら横芝光町へと向かう。青空と黒雲のちょうど境目を走り続けていたのだろう。まるで嵐だった。
 栗山川まであと1kmという辺りでやっと雨足が弱まり、雲がちぎれて辺りが明るくなってきた。わたしは「正解!」と誉獅子雄風に言い、車を川土手上の駐車場に止めた。いつもの場所だ、ボラを釣りに来たのだ。

 栗山川をカヌーで遡ると驚いたボラがピョンピョンと跳ねる。1度などはカヌーに飛び込んできて大笑いしたものだ。だから満潮時この川はボラで溢れかえっているとわたしは確信している。
 ボラは餌を食べるとき、吸い込むようにして食べるので餌団子の中に何本もの針を仕込んだ”吸込み仕掛け”という釣法が、古くから確立している。鯉などでも同じである。
 もう一つ「オランダ仕掛け」というのも可能だ。20年ぐらい前、群馬と茨城の間にある渡良瀬遊水池で鮎の稚魚が異常に湧いたことがあった。エサ団子の下に赤く塗った小さな釣針を10本ほど付け、少しずつ溶けてバラける餌と針を見間違わせて釣る、まあ言わばサビキ釣りとよく似た釣法。この仕掛けに大きなボラがちょっかいを出して絡まってしまう事がよくあって、5.4mの延べ竿がキュルキュルと悲鳴をあげて釣り手としては笑いと震えが止まらないのであった。ま、ギャング針(引っ掛け釣り)同様、邪道ですけどネ。

 吸い込みとオランダの合わせ業で釣ることにした。浮きを付けて餌団子を完全には底に沈めず、底付近を上潮に乗せて漂わせようと考えたのだ。
 マルキュウの練り餌名はズバリ「ボラ吸い込み」、好物の青海苔がたっぷり入っているらしい。それに「オキアミ粉」を少し混ぜて臭いで食欲増進(笑)を狙う。これ以上の物はない。
 ところがである。問題が発生したのだ。

 満ちて来てはいるのだが、もったりしたスピード感の無い上潮。普通は上流に向かって波が立ち、ゴミなどがビュンビュン流れて行くものなのだが待っても待ってもそうはならなかった。しかもおまけに無風である。参った。この釣法は波や風で浮きや団子が揺らされて、それで餌が適度にばらけて魚たちを誘惑するといった仕組みなのだ。仕方がないので意図的に竿を揺らしてはみたが、おそらく人為的な動きは逆に魚を散らしてしまったに違いない。それに団子がいっきに崩れてしまうので、おそらく底に餌が貯まっているのだろう。ボラさんだってバカじゃないのだ、危険をおかす必要は無い。当然底に貯まってる方を食うだろうネエ(笑)。


 地元の釣り爺さんと話した。冬場の上潮は大体こんなものらしい。ただし今日は特別静かな水面だと語り、彼はそそくさと竿を仕舞い始めた。
 わたしはカヌーを積んでおけばよかったなあと後悔した。5枚目の写真を見ていただきたい。カヌー日和とはまさしくこの絵であろう。”遊びは二段構えが常識”ということをつい忘れていた。カヌーを積みっぱなしにできる車がやはり必要なのである。素敵な口実(笑)。
 小林 倫博