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常識破りとはこのラーメンだ

4組の客が開店を待つ

ノラか客寄せか

怪しい待合所の雰囲気

立派(?)な三姉妹(?)

アリランチャーシュー
2018年07月27日(金)「アリランラーメンを食べに行く」

「若い娘たちとばっかりご飯食べてないで、私にも何かおごってよ」と妻がいうので、かねてから行きたいと思っていた“アリランラーメン”というのを食いに行くことにした。
 アリランラーメンというのはメニュー名であって、出しているのは“八平の食堂”というお店だ。ラーメン愛好家の間では、勝浦タンタンメン、竹岡式ラーメンと合わせて「千葉三大ラーメン」などと呼ばれているらしい。

八平の食堂
〒297-0206  千葉県長生郡長柄町山根1201
TEL.0475-35-2467

 名前も場所も以前からよく知っていたので、味についてはろくすっぽ調べもしないで出掛けてしまった。名前からしてアリランだからなあ、勝手に韓国系のラーメンだとばっかり思っていたのだ。クチコミも1つも読んでいなかった。
「私さあ、辛いラーメンが大好きなのよ。この前連れてってくれたボウボウラーメンだってまったくもの足りなかったぐらい」
 助手席の妻は、既に何辛にしようか考えているようだった。

 暖簾が出る前に着いてしまったので、しばらく野良猫と遊んでいると11時半ジャストにオープンした。台帳に記名するシステムを知らなかったので、結局わたしたちは順番的に3組目になってしまったが、まあ開店と同時にテーブルに付けたので文句はない。
 注文は一番ゴージャスな「アリランチャーシュー」にした。
 そして待つ間、店内の能書きを読むにつれて、わたしたちは自分達の大きな誤解に気付いたのだった。
「辛いラーメンじゃないんじゃないかしら?」
「そうね……何か違うねえ」
 お笑いである。

 行者ニンニクをたっぷり使った醤油味ベースのスープは少しも赤くなく、“コクはあるのに実にさっぱりとした味”というようなヤツであった。ニンニクという名前は付いているが、普通のニンニクとは違う植物なのでいわゆるニンニク臭さは全く無い。味は玉葱に近い。肉薄の玉葱といったところだ。食べて行くうちに多少塩分がきついかも……とは思ったが、まあ程度的には好みの範囲内だろう。
 辛いラーメンではなかったので、妻は多少不満そうではあったがチャーシューいっぱいで満足したらしい。
 ちょっとびっくりしたのは、テーブルの上にも、それらしきコーナーにも香辛料の類いが一切置いてなかったことだ。胡椒もラー油も豆板醤も無かった。このままの味で召し上がれ、というポリシーなのだろうか? ラー油だけはちょっとでいいから欲しかった。
 食べログの評価は3.58、非常に美味しいという部類に入る点数だと思う。しかしまあ、ラーメンの評価は個人個人の好みで雲泥の差が出るから一概には言えない。

 メニューには有るのに、味噌ラーメンを注文したお客に「今日は無いんですよ」と店主が言っていたのが印象的だった。“無い”っていうのが実に可笑しい。作りたくなかったのだろうか? それとも、そういうのは他所で食べれば? ということなのだろうか。まあ「そういうお店」でもあるらしいのだ。出したいものしか出さないってこと。メニューから消しちゃえ!
 因みにお値段だが、アリランチャーシューは税込1200円。3姉妹かとおぼしき立派な(?)従業員の姿が、今も瞼に焼き付いて離れない。