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手荒い事はしたくねえんだが

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2021年03月09日(月)「荒療治」

 相変わらずの「隠れ家探し」だ。ハイゼットカーゴもへこんでしまったし、もう気にせずガンガン乗ったろと思ってややヤケクソ気味である。愛着が無くなった訳ではないが、この手の車をピカピカに磨くのってちょっと変かも……と思い始めたのだ。いい訳に近いが「へこみは勲章」だ。

 それにしてもだ、あちこち走り回るうちに2019年の台風15号と10月の大雨が、今更ながらすごかったのだなあと実感させられた。すでに1年半以上経っているのに、復旧工事の見込みがまったくつかない場所も多いようだ。本年度中に終りそうな所はまだしも、コロナ禍もあって完全復旧はまだまだ先だろう。千葉市緑区は田舎だからさらに優先順位からすれば後回しにされるのは仕方ない。
@杉は本当に風に弱い。千葉県のいたるところで見られる光景だ。大藪池へ向かう途中の林道。
A大藪池脇の自生地にクレソンを採りに行こうと思ったのだが工事がまだ少しかかるらしい。徒歩も駄目だとさ。庭に水盤を置いてクレソンを育てる計画。すごい栄養価なのだよ、スーパーで買ったクレソンでもすぐに根がでます。
Bイノシシがかかっていたら盗もうと思って見に行ったが駄目だった。野菜クズをもっと入れとかなきゃ!
Cハイゼットカーゴは力がなくて、とりあえずここまで勢いで登って来たのだがあと一歩で力尽きて、Lowでも動けなくなった。15度ぐらいの傾斜だと思うが自重が重いのだろうか。ライフだとすいすい登れたが。またまた恐ろしい思いをしながらバックで下りた。乾いているのに枯葉でタイヤがスリップして空回りしていた。崖から落ちるかと思ったぜ。
D「トモチン沼」もこの通り。異様な絵だなあ。土嚢に草木が生えて昔と同じようになるには2〜3年はかかるだろうか。※トモチン沼
 
 走り回るうちにいいことを思いついた。立ち木にぶつかってへこんだものは、立ち木さんに直してもらうのが「筋」ではないか? ということだ。で後ろのナンバープレートのネジにフックを付けて牽引ロープを結び、ロープの反対側を木に結びつけてじわじわと前方へ進めば、曲がったシャーシーも元へ戻るのではないだろうか? という訳。ネタとしても面白い(笑)。


 へこませられた杉の大木に牽引ロープを巻きつけ少しずつ少しずつ前進した。時々ベキッと音がする。何度も降りて確認しながら様子を見る。ロープはパンパンに張っている。ちょっと戻ったような気がしないでもないが、まだまだだ。アクセルを踏みすぎるとおそらくバンパーやシャーシーごともげるだろう。そういった車で走ればアメリカならカッコいいが千葉だと故障車だ。慎重に慎重に30Cmバックしては35Cm前進……といった具合に反動でシャーシーをコツコツと伸ばした。
 いちかばちか、少し強めにアクセルを踏んだその時、バーンと轟音が響きバンパーがもげた。嘘嘘、牽引ロープが切れちゃったのだ。高価で立派なロープだったがブチ切れてしまった……、わたしは恐る恐る後ろへまわった。
 おーっ!ボルトがひん曲がっている。そしてバンパーがほぼ水平に戻っているじゃないか!

 わたしは急いでエンジンを止めリアハッチを閉めた。そしてキーレスキーのスイッチをON、OFFしてみた。ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ、オー効くではないか!
「来た〜! 愛着が戻って来た〜!」
 神社の神さんがあきれている。
「あんた何やねん!」
 わたしは、肘痛が治ったら倒木をノコギリで切って取り除き、ここを新たなアジトにすることに決めた。不法侵入という犯罪……、ですかね?

 小林 倫博