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♪雨が止んだら お別れなのね〜♪

「ジョロキア」だぜ〜

これは「魔女の杖」

今年買った「旨辛唐辛子」

安くて美味い「姫まくら」

種取り物語は続く
2016年09月24日(土)「雨が止んだら」

 お天気お姉さんによると、ここ1週間の日照時間はなんとわずか7分20秒程度だったらしい。さらにここしばらく「雨のち曇り」「曇りのち雨」とか「雨」「雨」……としか言っていないので「晴れ」とか「お天気」という言葉が舌が回らず上手く言えなくなったそうだ。
 農作物にも影響が出始めているようで、確かに野菜の値段が高騰している。嫁に食わそうにも秋茄子が無いって訳だ。また、人々の体調にもそろそろ影響が出るのだそうだ。つまり、日光に当たることで体内で作られるビタミンDが不足して、なんと「クル病」になる人が増える可能性があるというのだ。栄養状態の良い現代にクル病とは! クルクルパーは多いけどなあ。

 雨量もかつて無いほどにすごい。わたし自身も先日千葉市で1時間に60mmという豪雨を体験したが、例えて言うなら“全開のシャワー”そのものだった。勤務中で必要が有って20秒ほど濡れながら作業をせざるを得なかったのだが、5秒位でもう全身のどこにも乾いた場所が無くなっていた。乾いていたのは強いて言えば心ぐらい。
 気温も低い日だったので、寒いのなんの南野陽子。1時間降り続いて、アンダーパスは洪水状態になり交通が麻痺した。一過性の豪雨だったから「すごかったねえ」で済むが、東北や北海道の水害を思うと気の毒というか何と言うか呆然として言葉がでない。

 椎名誠さんの古い短編SFに「雨がやんだら」というのがあった……と思う。細かな所はちょっと記憶が不確かだが、だいたいのあらすじはこうだ。
 雨が止まないのである。異常気象なのだろう、来る日も来る日も止まないでずっと降っているのだ。もう半年ぐらい、いやそれ以上雨が降り続いている。
 主人公は父と母と小学1年生位の女の子。もう極限状態だから、父は仕事になど行かず家の補修にあけくれ、母はその日その日の食料調達に奔走している。日本中が止まない雨と戦っている状態なのだ。そしてその女の子は、毎日雨の様子を日記に書いているわけなのだ。
「今日は友達の○○ちゃん家がとうとう沈んでしまいました」とか「きょうは○○マーケットの三階部分が見えるだけになってしまいました」とかネ。
 そして自分たちの住む家にも次第に水没の危機が迫ってくる。そして2階の部屋の畳がブヨブヨに膨らんだある日、父と母と娘はイカダでの脱出を試みる。さらに雨は容赦なく永遠に降り続けている。

 突然場面は南の島に変わる。抜けるような青空の下、ひとりのルンペンのようなナリの男が珊瑚のカケラでできた白い砂浜を歩いている。そして男は漂着した小さな木の箱を見つけるのだった。砂浜に腰を下ろし箱を開けた男は、その中身を手に取って、ただただオイオイと泣き続けるのであった。……といった、ただそれだけのストーリーだ。
 箱の中身が何だったのか、男の涙の理由などは一切書かれていない。あとは各自のインスピレーションに任せるということなのだろうか。
 ありきたりの陳腐な想像だが男は父で、妻と娘はイカダでの漂流の途中で絶命した。そして木箱の中身は、自分の娘が綴り続けていた雨の日の日記だったのかもしれない。


 雨が止んだので唐辛子の種採りをした。これ以上雨の日が続くと鞘の中で種がカビて腐るのだ。100万スコヴィル超のジョロキアも採種するので、二重のポリ手袋とマスクを付けて今回は万全の態勢。
 買って食べて美味かった「旨辛唐辛子」と「姫まくら」というスイカの種もコレクションした。来年はこれも植えてみるつもりだ。
 来年かあ……この世の中なにがあるかわからないからなあ。永遠に止まない雨が春先から降り始めるかもしれない。が、まあ日本中が水没するぐらい雨が降っても我家には4.8mのカヌーがあるから大丈夫だ。人命救助だってやっちゃうよ〜俺は!