藤の花

中肉中脂

中国はすごい

わたしはロリコンだ

チネの街だ

2014年4月29日(火)「4月オムニバス」

「昭和の日」である。昭和の時代の今日は、言わずもがな「天皇誕生日」だった。平成になってすぐの頃は「みどりの日」という名前で呼ばれていた。高校の頃、茶園ミドリさんという先輩を好きだったことがあるのでその呼び名は懐かしくて嬉しかった。なのに、まったく国民に相談も無く、100%国の都合で「昭和の日」だもんなあ。
「みどりの日」はまた別に作っちまった。祭日を増やして国民総生産の調整をしているらしいのだが、俺は負けない。休日だってどんどん働いてやるのだ。そして同志がどんどん増えて…おそらく100年ぐらい経つと、昭和のことなんかもう誰も覚えていないだろうから、昭和天皇には誠に申し訳ないが「労働の日」とか「やけくその日」となるのだ。
 あれ、くだらないボヤキに7行も使ってしまった。

 マジで焼け糞気味である。落語風にいえば「火事場の便所」というやつだ。
 黄金週間などはまったく関係なくて今日はたまたま休みなのだが、今ふとスケジュール帳をみて笑ってしまった。5月9日まで休みが無い。
 鵜原理想郷のことばかり考えているか弱き老人だというのに、タイトルもすでに「海を漕ぐ」に決めてあるというのに、ぜんぜん時間が作れない。定年で契約社員になって気楽な立場だというのに、最近ある事案の責任まで取らされた。どういうことだ、けしからん! 末代までの恥だ。チキショー!
 あ「4月のボヤキ」じゃないのだった。またまた7行も使っちゃった。

 藤の花が綺麗な季節である。いきなりでなんだが、色がいい。当たり前だが藤色だ。山の一面にびっしりと咲き誇る姿などを眺めていると、何だか万葉の時代の貴族になったようで一首読みたくなったりするが、根拠はまったく無い。貴族である訳もない、ハハ。
 そんなことではないのだ。
 ビーグル仲間の“ラブ君の父さん”に言わせれば「藤の花がねえ、綺麗だってことはねえ、山が荒れてるってことでねえ、悲しむべきことだねえ。里山は風通しが命だからねえ、悪くなると蔓物がはびこってねえ、どうしようもねえネエ」
ということらしい。
 そういう事なんだねえ。それだけのことなんだけどねえ、なるほどねえ。

「コンビニを襲った犯人は中肉中背、Gパンに紺色のトレーナーを……」
 などとテレビのニュースでよく言っている。平均的な身長や体重というものは時代によって変わるだろうから何Cmで何Kgでという議論は別にして、中肉中背の反対語は何だろう?  と考えた。大肉大背や小肉小背や大肉小背や小肉大背や…めんどくせえなあ、要するにそんなのは聞いたことがない。
 で、調べてみて驚いた。中肉中背の反対語は巨肉巨背だと書いてある。巨乳巨顔でも良いらしい。
 な訳はない。どうやら反対語ってのは無いらしい。無いということは作ってもいいということであるから、みんなで考えよう。なるべく笑えるやつにして欲しい。

「食は中国にあり」とよく言われる。あれだけの国土と人口だから種類が格段に多いのは当然だろう。四つ足の中で食わないのはテーブルだけ、飛ぶもので食わないのは飛行機だけ、などともよく言われるのだけど、その食欲を以てすれば質も極められて当然というものだ。好き嫌いは別にして嫌いだけど中国はすごいのだ。
 話は急に変わるが、子供の頃だ。新聞に角のある少年が中国で見つかったという記事があって、写真を見たわたしは恐ろしさのあまり小便を漏らした。だってただの角じゃないのだ。十手の形なんだぜ。あの子はどうしただろう。誰か知らない? 今頃どんな帽子をかぶっているのだろう。
 食の話だった。最近、中国の食に関するガイドブックを読んだのだが、またまた小便を漏らしそうになった。いや、半分漏らしたような気もする。汚えなあ。
 メニューに「虎」の文字があればそれは猫肉であり、「龍」の文字があればそれは蛇の肉だという。「龍争虎闘鍋」とはどのようなものなのだろうか。
 鰹節と同じようなもので、猫節というものもあるらしい。いい出汁が出るらしいがニャンともかんとも。
 寺院などの鳩を見て、アグネスチャンが言っていたことだが「中国だったら街中に鳩なんかいませんよ。一匹残らず捕まえて食べちゃいますから」ということだった。なんでも手当たり次第食っちまうのだ。犬も喰うもんなあ、許せん。
 極めつけは「三叫」という料理で、生の子ネズミを食べるものらしい。まだ毛が生えてないやつだろうなあ。まず箸で摘まんだ時にチューと鳴き、醤油につけたらチューと鳴き、最後に口に入れてプチッと噛むとチューと鳴くということらしい。吐きそうだ。
 子ネズミを食っちゃダメだろ、ダメよ〜ダメダメ。これ言いたかっただけなんだけど。
 昔、名古屋の「五味鳥(ゴミトリ)」というゲテモノ食いの店で、スッポンの頭だけの炒めものを食ったことがある。50匹分ぐらいの目に睨まれてたじろいだ記憶があるが、子ネズミに比べればそんなの月とスッポンだ。なんちゃってね、いい着地!

 おそらくアメリカのヤフーが絡んでいると思うが、世界的な写真投稿サイトで「Flickr」というのがあるのを偶然知った。膨大な数があるのでまだ全然ディープなマニアとは言えないのだが、結構楽しませてもらっている。そんな中で面白いものを見つけた。
 よく写真マニアの連中がモデル撮影会を企画開催してるじゃないですか?  そのカメラ小僧たちがそれぞれに自分の撮った写真を何百何千枚とこのサイトに投稿しているのですよ。台湾のセミプロカメラ小僧(オヤジも多い)が圧倒的に多いので、おそらく彼の国ではそういうのが流行っているのかもしれない。
 暇に任せて見ていたら、理想的とも思える(ただの好みという言い方もある)顔をした女の子を見つけた。データがかなり重くて繋がるのに時間がかかるが見たい人は参考までに御覧ください。
https://www.flickr.com/photos/33322029@N00/sets/72157635212593080/
 妻などは「この娘、鼻がちょっとでかいわねえ」などとほざいているが、そこが素人モデルっぽくていいのだ。ガハハ。
 このネタは「Flickr」というサイトを知ったという話じゃなくて、前からそうじゃないかと思っていたんだけど、わたしが実はロリコンだったという話である。実に情けない。
 ロリコン老人は苦しまずに、コロリンと逝けるんだったらいいのになあ。訳分からんなあ。

「桜好き」を自称するわたしだけど「こりゃー死ぬまでの間に1度は見ておかなきゃまずいだろ」と思わず唸ってしまう情報を入手した。ちょっと大袈裟だけど。
 韓国に鎮海という街があるらしい。ハングルではチネと呼ばれている街だ。日本の統制下にあった時代には日本海軍の基地になっていた港町らしい。
 なんせ規模がすごい。ちなみに桜の木の本数で言えば、上野公園が千二百本、吉野山が五万本と言われるが鎮海の街は三十六万本の桜である。
 ちょっと想像すらしにくい数だが、旅行記本によると……
「タクシーでチネの最高峰長福山公園の展望台まで行き、初めてチネの全市街を見渡すことができた。桜に埋まった不思議な街の造形である。山も裾野も街も海岸も桜、桜だ。桜の海に浮かんでいる鎮海は平和な美しい楽園であった」とある。
 荒唐無稽な夢も面白いが「結婚30年になるんだなあ、どこにも連れてってないなあ、妻と鎮海の桜を見に行ってみようかなあ」といった具体的かつ現実的な夢というのも、なんだか“愚直な夫”という感じでいいなあと最近思うのだ。
「歳をとったのね」と妻は言うだろうか。


 村上龍は「男の価値は知っている快楽の数で決まる」と書いている。
 何の役にも立ちそうにない事をたくさん知っているという事も、わたしにとっては結構快楽なんだけど……。




                  






mk
 オムニバスって言葉はこんな風に使っていいのかどうか分からない
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