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Fieldnote 2017 買い物は快楽だ!

マイペットでピカピカ

トレードマークのボディ

本物ですぜ

これも有名な縁取り

ほぼ完璧な修復
2017年07月27日(木)「2980円のオベーション」

 いつものリサイクルショップをのぞくと、珍しくジャンクギターが多数入荷していた。そしてその中の1本にわたしの視線は釘付けになった。オベーションのギターである。さらに価格がなんと2980円(税込み)なのである。手に取ってちょっと弾いてみると、やはり腐ってもオベーション、楽器としての格はやはり高い。欲しくなってしまった。
 
 2980円の理由はすぐに分った。ブリッジが完全に浮き上がって外れかかっている。ギターとしては致命傷だ。このままではいずれボディーも割れ修理の施しようがなくなる。これまで誰も買わなかった理由はおそらくそれだろう。
 しかしわたしは以前オーベーションを使っていたことがあって、結構いじったのでだいたいの構造は分っているのだ。マーチンやギブソンのアコースティックギターと違って完全な生楽器ではない。音はピックアップで拾うのが原則だし、ボディの半分はプラスチックだ。音の遠達性能を高めるためにボウルのような形をしていると聞いたことがある。楽器としては非常に斬新、科学的な割り切り方をしているのだ。
 ブリッジは、塗装した後に(マーチンなどは塗装前に接着する)直接ボディに接着剤で貼り付け、その後ボルト2本で補助的に止めてあるだけだ。わたしは「修理できる、これは買いだ!」と小躍りした。

 ブリッジがすでに完全に外れてしまっていたことがかえって修理には幸いした。2本のボルトを外して地ならしした後、エポキシ系の接着剤で張り合わせ、仕上げに元々有ったボルトナットで締めつけた。半乾きなのでまだ弦は張れないし試奏もできないが、これでほぼ完璧なはずである。加工ではなくて、オリジナルに戻したといえる。

 調べてみると「OVATION  Pinnacle Series Model NO.3862」というものであった。金具に錆びはあるが木部の傷はほとんどなく、トップはスプルース単板、弦巻きはシャーラー、アンプはFET3、1991年から1993年までの3年間だけオベーション監修のもとにモリダイラ楽器が日本で製造したものと分った。発売当時の新品価格は約150000円だったというから、たまげる。
 プラモデルのようなステージ専用ギターだが、トップが単板だというのがすばらしい。ギターの基本です。乾燥とともに生音も良くなるに違いない。ベニヤ板でいい音が出るはずがないのだ。

 職場で病棟に迷い込んだトンボを昨夜逃がしてやったのだが、このギターは神様からの褒美だろうか? それともトンボの恩返しだろうか?